スルガ銀行のシェアハウスやエビデンス偽装などで問題になり始めた、2018年中盤から現在(2020年2月)までの、住宅ローン、ワンルームローン、⼀棟収益ローン、シェアハウスローンについて、決算情報から延滞率推移を調べてみました。
住宅ローン延滞率
住宅ローンの延滞率は一般的に0.43%と言われておりますので、2019年12月期の0.66%は他社との比較ではやや多い状況です。
2019年6月から12月までの半年間で0.32%から0.66%まで一気に2倍ほど伸ばしてきました。
ちなみに、スルガの住宅ローン金利は超割高で、他銀行では金利1%以下が普通ですが、スルガの平均金利は2.87%となっております。
年齢が高すぎる、年収が低い、勤続年数が短いなど、属性が低い方にも融資することが理由です。
貸し出し残高は約5,700億円です。
ワンルームローン延滞率
ワンルームローン延滞率も順調に伸びており、2019年12月期では1.5%となっております。
平均貸出金利は3.41%、貸出残高は約2,000億円です。
先日、楽待にマンションを無理やり買わされてしまい自己破産寸前という方の記事がでておりました。アルヒ、アプラスを利用した例でしたが、スルガも同様と思われます。
アルヒ・アプラスずさん融資、ブローカーに騙された28歳女性|楽待不動産投資新聞一棟収益ローン延滞率
一棟収益ローンは貸付残高が1兆1,700億円で一番ボリュームがあるカテゴリです。
2019年9月から12月までの3か月で2.38%から3.46%まで1%以上もアップしました。
ざっくり計算ですが、仮に1棟当たり1億円と仮定すると11,700棟の物件がスルガの融資でよって購入されたことになり、延滞率1%で約100棟の物件が支払いできなくなったという計算になります。
平均貸出金利は3.38%です。
シェアハウスローン延滞率
出典:東洋経済オンライン
かぼちゃの馬車が問題になった2018年中盤では約30%でしたが、2018年12月期に約40%となり高止まり状態です。一棟物のような伸びはありません。
平均貸出金利は1.80%、貸出残高は約1,980億円です。
貸出金利が他のカテゴリより低いので、金利交渉に応じて金利を調整していると思われます。
残高の比較(2019年12月期)
一棟収益ローンが1兆円を超えております。
シェアハウスローンは社会問題として大きく取り上げられましたし、延滞率は高いですが、元々の残高が低いです。
まとめ
一棟収益ローンの今後の延滞率の伸び方が気になります。
売却しても残債を下回るため、毎月キャッシュアウトを続けていてもなんとか保有している方が、まだ数千人はいるのではないでしょうか。
下がってきたとはいえ、まだ高値圏にいる投資用物件、さらに下がることは間違いなさそうですので、自己資金を貯めつつ、買い場を待ちたいとおもいます。